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ねーちょっと聞いてよ

 かねてから希望していた船井幸雄の講演会のチケットが運良く手に入り、伊那の友達と駒ヶ根に出かけた。講演の中でこれから21世紀に向けて『予想もつかない出来事』がたくさん起こること...。そしてこれらは現実のものとなった。
 5千人以上の死者を出した阪神大震災に始まり、昨年の夏にはO-157でかいわれ大根説が新聞のトップニュースを飾ったり、狂牛病の発生で牛肉の消費も5割以上落ち込み、関連して、卵、トマト、レタス、キュウリなど生野菜も3割ものダウン。農業は、パンチに続くパンチの連続だった。
水耕栽培の規準も設けず、農産物の輸入を限りなく繰り返す。食材の合理化とコストダウンを進めてきた結果、今日の現状を招いているのは周知の事実。なのにマスコミの扱い方や、人々のパニックぶりは信じられないような無知と認識のなさを見せつけてくれる。こんな中で健康で豊かな生活や人生を送るとはどういう事なのか? 今、日本の人々のくらしの在り方が問われている。大切な子供の学校給食、その食材の在り方、安ければいい、お腹がふくれればいいという訳ではなく、どんな食事をどのように子供達や家族に食べさせたいのか。さらに一段と厳しく消毒や殺菌を繰り返し、人間の食べ物や胃袋はどうなってしまうのだろうか? 人も動物も植物も、そして私達の大切な大地もどんどん地力がなくなって、悪い方に向いているようで仕方がない。
農家に嫁いで26年、自分なりに皆に支えられながらではあるが明るく、元気に、楽しく農業をやって来たが、農産物は他の商品とは違い自分で価値に気付きながらも値段を付けられない。いつも景気に左右され、天気に又も振り回され、やれ冷夏だやれ暖冬だと毎年繰り返す。苦労の割には収入は少なく、花など栽培していると一見華やかに見られがちだが、相場は相変わらず低迷しかなり経営は苦しい。
でも『お金があることが豊かだと思っている人達』が感ずることのできない素晴らしさや、生きている実感、そしてわずかな手応えが農業にはある。
土を耕すと共に、心を耕し、心を嫁ぐ豊かさを覚えた。
もっと視野を広げ、心も広げたい。
年を重ねてなお輝いて生きていくために『昨日を明るく振り返り、明日に確信を持って力強く生きたい』...
『花になることは簡単、だが花を咲かせる土になることの方がずっとずっと難しい』そんな豊かな土に私はなりたい。


 
 
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